2012年3月6日火曜日

ナデ描きブログ: FLASHノベルアーカイブ

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メイドと言えば、メイド服! カチューシャ! エプロンドレス! フリル! これがなくてはメイドは語れません。メイド服にも色々とありますよね。ピンクやイエローといったウェイトレス風の原色系も可愛いのですが、ボク的に断然好きなのはクラシックな黒!
そんな超個人的な趣味嗜好から、「メイドくん」の作中におけるメイド達(キッチン系は除く)は黒のメイド服を着てもらっています。デザイン自体はヴィクトリアンメイドとはかけ離れちゃってますが、そこはご愛敬で。


そんなメイドがメイドであるためのシンボル的アイテム、メイド服。彼女らがメイド服を着るようになったのには目的があります。その目的とは、「可愛いから」ではありません。じゃあ何のためかって言うと、正解は「差別」のため。シビアです。かなり世知辛いです。夢も浪漫もありません。ヴィクトリア朝時代の人達は、もうちょっと「萌え」とか研究するべきです。<違


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元々、女性使用人には制服なんてありませんでした。奥様やお嬢様が着古した洋服の、お下がりをもらって着ていました。そのため昔のメイドさんは、ちょっと流行遅れの、でも奥様達と同じような服を着ていました。リサイクルでエコロジー。ここまではOKです。
ところが、今どんな服が流行っているのかなんて、興味ない人には区別付きません。服を買うならユニクロかジーンズメイト!みたいな連中にとっては、どの服もみんな一緒に見えます。そんなボクみたいな困った人達は、ヴィクトリア朝時代にもしっかり居たようです。
女性のファッションセンスから奥様とメイドを見分けることは、彼らにとって至難の業でした。奥様と思って声を掛けたらメイドだった、もしくは逆に、メイドと思って用事を言いつけたら高貴なお方だった。そんな事件が多発してしまいました。


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そこで登場したのがメイド服。差別のための制服です。さすがにメイド服を着ていれば、彼女がメイドだと誰にでも分かります。こうして奥様は、メイドと間違えられるというトラブルを避けることが出来ました。そして現代日本に生きるボクらは、メイド服に萌えることが出来るようになったのです。めでたしめでたし。


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そうした歴史もあって、ヴィクトリア朝時代のメイド達はメイド服を着ていました。でも例外がありました。上級使用人に相当する役職では、メイド服を着なくても良いという特権が与えられていたのです。一人は女性使用人のトップであるハウスキーパー(家政婦)。もう一人がレディーズメイド(Lady's Maid)です。ウェイティングメイドとも呼ばれ、侍女と訳されることが多いようです。
侍女は、奥様もしくはお嬢様直属のメイドでした。奥様の身の回りのお世話はもちろん、ドレスの着付けや髪結い、針子や帽子作りといった仕事をしました。いつも一緒にいることから、おしゃべりの相手として、また良き相談相手としても頼りにされたことでしょう。主人直属の使用人であるヴァレット(近侍)の、女性バージョンとも言えます。



メイドの中ではトップエリートである彼女には、多くの特権が与えられていました。先述のメイド服を着なくて良いというのも、特権の一つです。奥様やお嬢様からもらった、お下がりのドレスで着飾ることが許されていました。綺麗なレディーズメイド(侍女)を伴って歩くことは、奥様にとっても誇りでした。
また、ハウスキーパー(家政婦)の人事権が及ばない、数少ない存在でもありました。レディーズメイドの人選は、奥様自らが行いました。上流階級の人々が住まう階上の世界に、最も近い位置にいるメイドでした。


あ、「メイドくん」の作中では、社交シーズン中のため奥様のお供で帝都に出掛けてしまっているので、カントリーハウスは留守にしています。そのため出番はしばらくありません。



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